クリス・デイブの多彩なドラミングはもちろん、ヒップホップ、ジャズ、ソウル・・・次に来る曲調はなんだ!?と期待してしまう作品
私はヒップホップ初心者でソウルやポップスを好んで聴いており、クリス・デイブは気になっていたけれど、果たしてヒップホップ色強いアルバムだったらどうしようかと心配していました。
彼はジャンルをクロスオーバーする凄腕ドラマーなので、どんな内容になっているか良くも悪くも予想できませんでした。
悩んでもしかたないし、なにより彼の音楽を聴きたい、聴いてから判断だ!
えいや!とAmazonでポチり。
結論から言えば、その心配はいらないものでした。
ヒップホップなノリ、ノスタルジーを感じさせるようなソウル、畳み掛けるようなスピード感溢れるプレイ・・・
ひとつの曲のなかですらそれらが入れ替わるものもあります。プログレ系でよくある、「これ同じ曲だったの!?」という。
次の曲はどんなものなのだろう?と飽きることなくアルバム一枚聴いてしまいました。
ホコリかぶった、しかし温かく懐かしい、そんなレコードプレイヤーで聴いているような1曲
私のお気に入り曲は13曲目「Job Well Done」。
曲の入りはスピード感溢れるスリリングなドラミング。怒涛という言葉がピッタリ。クリスはやはりテクニシャンだよね!とほれぼれしつつ・・・え、ここからバラードになるんですか!(笑)
それなら歌を聴かせて、バンド側は守りに徹するのかと思いきや・・・このビートの揺らし方!
回転が安定しないレコードプレイヤーみたいなんです。部分的に速くなったり、遅くなったりを周期的に繰り返します。プレイの動作だけを考えると複雑なものではないかもしれません。複雑ではないんですが、安定して不安定を作るこの技量は並大抵のものではありません!!
突っかかる→突っかかりが取れる→一瞬速くなる→平常に戻る→突っかかる・・・
このような整備不良感(?)が私には心地よく、ノスタルジーを感じました。テンポが速くなった遅くなったという方法の話ではなく、その方法によってある情景を思い描かせることができるのだと感動してしまいました。
まとめ
- CHRIS DAVE AND THE DRUMHEDZ デビューアルバムは様々な曲調が楽しめるので、ヒップホップ初心者でも安心して楽しめます。
- 手数など動作に直結するテクニック以外の表現テクニック(ビートの揺らし方など)がとても参考になります。